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「出張ネイリスト」とは、その名の通りお客様の自宅など、指定された場所に出張をしてネイルの施術を行うネイリストのことです。出張ネイリストは最近増えていて、ネイリストとしてネイルサロンで働きながら、空いた時間で出張ネイリストとしての仕事をしている人や、出張ネイリストを専業として行っている人など、その働き方は実にさまざま。出張ネイリストとして働く上では、どこかのサロンや事務所に所属するのではなく、フリーで仕事をしている人が多いです。ネイルサロンで働いていても、出張ネイリストの仕事は自分個人でやっている、というとわかりやすいかと思います。
出張ネイリストになるために必要な資格などは特にないので、自分で出張をしてネイルの施術を行い、その代金をいただけば「出張ネイリスト」として働いているといえます。このため、前述したようにネイルサロンでネイリストとして働きながら、空いた時間にお客様の自宅を伺って施術をする出張ネイリストもいますし、ネイルの資格を取得したけれど平日の日中はOLなど本業の仕事をしていて、就業後や休みの日に出張ネイリストとして施術をしている人という人もいます。もちろん、出張ネイリストを専業にして仕事をしている人もいます。
でも、どうやって仕事を取ればよいのかわからない、という人も多いことでしょう。まず、ネイル関連の資格を取得しておくことは必須です。なぜなら、ネイルサロンであればサロンの信頼度がネイリストの信頼度にもつながりますが、出張ネイリストは自分自身が看板ですから、お客様の信頼を得るためには自分が信頼を得られるネイリストでなければなりません。信頼をアピールする手段のひとつとして資格が挙げられます。ネイリストになるために必ずしも資格は必要ではないのですが、最近のネイリストはほとんどの方が資格を取得しています。ネイリスト検定1級はもちろん、ジェルネイル検定の上級や、講師の資格を取得している方も多いので、できればネイリスト検定1級レベルの資格は取得しておきたいところです。
独学でネイリストの資格を目指すことも、もちろん可能です。3級を独学で取ったという人の話は時々聞きますが、中には1級まで独学で取得した人も実際にいるようです。
もし、あなたがこれまで1度もネイルサロンで働いたことがないのであれば、少しでもサロンで働いておくことをおすすめします。サロン勤務を経験することで、お客様に対する接客技術を身に付けることができますし、施術技術も格段に上がります。また、お客様を通して出張ネイリストとして働く際のネットワークづくりにつながることもあるなど、サロン勤務を経験しておくことは、出張ネイリストになるために役立つことがたくさんあるのです。ネイルの資格を取得した後に、すぐに自宅でサロンを開業する人も増えていますが、どのような形であれ、独立する前にサロンで働いておくこということは大切だと思います。
お客様のところに出張をしてネイルを施すので、ネイル用品は一切ないと考えておくのが普通です。そのため、どんなデザインにも対応できるよう、ネイル道具一式はすべて揃えて置く必要があります。検定で使用した材料は一通り揃えておかなければなりませんね。検定で使用した道具以外でも、ストーンやラメ、カラージェルなどかなりたくさんの道具が必要になります。
前述したネイル道具をすべて持ち運ばなければならないので、公共交通機関での移動はかなり大変です。小型でもよいので車があると移動しやすいですし、そのまま積んでおける道具も多いので、持ち運びがかなり楽になります。
UVランプなどを使用するために電気は必ず必要になりますが、施術する場所によってはコードが届かないこともあるかもしれません。延長コードを用意しておけば、どのような配置でもコードが届くのでいざというときに役立ちます。
夏は暑いところからお客様のもとへ伺ってすぐに施術に入らなければなりませんし、場所によっては寒い中で施術をしなければならないこともあります。着脱しやすい服装で温度調節をするのはもちろんですが、暑いときは汗を拭えるタオル、寒いときはすぐに手元を温められる使い捨てカイロなど、温度調節できるアイテムを用意しておくとよいでしょう。
意外とあると便利なのが、正座椅子です。お客様のご自宅で施術をすることが多いので、必ずしもテーブルがあるとは限らず、ローテーブルやお膳などで施術をする可能性もあります。このとき、ずっと正座をしているのも厳しいですし、足を片方に傾けていると施術がしにくいということも。このとき。正座椅子があれば長時間同じ体勢で無理なく施術ができます。
出張ネイリストのもっとも大きいメリットは、「開業資金がかからない」という点です。自宅で開業する場合も、テーブルや装飾品などある程度の費用がかかりますし、サロンを構えるとなれば物件を借りる費用でかなりの金額が必要となります。しかし出張ネイリストであれば、こうしたサロンを構えるための費用が一切不要なので、ネイル道具さえ揃っていればすぐにでも開業できます。また、自分の時間に合わせて仕事ができるという点も、出張ネイリストのメリットです。サロンに勤めている人のように開店から閉店までずっとサロンにいなければならないという時間の制約がないので、育児中の人やほかの予定で忙しい人でも無理なく仕事ができます。
出張ネイリストのデメリットは、収入が不安定なケースが多いという点です。自分でお客様を掴んでいかなければならないので、軌道に乗るまでに時間がかかりますし、サロンのように時給や月給制ではなく、完全な出来高制なので、お客様の入りが悪いときは収入が激減する可能性もあります。また、出張ネイリストは時間が自由である反面、時間的な効率が悪いというデメリットもあります。主に移動時間にいえるのですが、自宅から1時間のお客様の自宅に出張し、その後お客様の自宅から2時間離れた次のお客様の自宅に出張し、また1時間かかる別のお客様の自宅に行くとなると、3時間以上の時間のロスが生まれます。ネイルサロンや自宅サロンのように効率よく施術をこなせないので、その分収入につながりにくいです。