ジェルネイル検定初級とは、NPO法人日本ネイリスト協会(JNA)が主催しているネイルの資格試験の一つ。JNAが主催しているジェルネイルの試験には、初級、中級、上級の3種類がありますが、それらの中で初級は、最も基礎的な知識・技術が試される試験ということになります。
ジェルネイル検定が生まれた背景には、時代の要請があります。ネイルアート自体は昔から行なわれてきたものですが、時代が進むにつれて、徐々に爪をゴージャスに飾るジェルネイルのニーズが拡大。専門的な知識・技術のもとで施術を行なわないと感染症などのリスクもあることから、ジェルネイルを安全かつ正しく行なう知識普及を目的に、2010年からJNAが検定試験をスタートさせました。
ジェルネイル検定初級の試験が行われるタイミングは、夏と冬の年2回。札幌から福岡までの主要都市で一斉に実施されます。初級に合格すると中級の受験資格が与えられ、中級に合格すると上級の受験資格が与えられる、といった仕組みです。
今やジェルネイル検定は、今やネイリストを目指す人たちの間では必須の資格。資格学校には、JNECとJNAの試験勉強を並行して行なっているネイリストの卵たちも多く在籍しています。
ネイリストの資格としてメインになるものはJNEC検定。ただ実際のサロンの現場に出てみると、最近では爪を豪華に飾るジェルネイルのニーズが非常に高まっています。よってジェルネイルの知識や技術がなければ、実質的にはプロのネイリストとは言えないでしょう。
ジェルネイル検定初級は、サロンの現場で必要とされる最低限のジェルネイルの技術を試す試験。そのままサロンの現場で使える技術を身に付けられることが、ジェルネイル検定初級の大きなメリットと言えるでしょう。
またジェルネイル検定中級試験を受けるには、初級に合格していなければならないというルールがあります。次なるステップアップに向けて、初級合格は勉強の大きなモチベーションとなるでしょう。
ジェルネイル検定初級の受験資格は「義務教育修了者」。よって中学まで卒業していれば、誰でも受験することが可能です。
またジェルネイル検定の特徴の一つに、2つの試験免除制度があるので要チェックです。
→次回のジェルネイル検定初級試験で、筆記試験を免除
→実技試験の「ネイルケア」を免除
これらの条件に該当する人は、ぜひ免除制度を利用しましょう。免除制度を利用すれば試験に向けた勉強範囲を狭くすることができるので、その分、合格率も上がります。
なお初級と中級など、2段階の試験を同時に受けることはできません。どんなに試験に自信のある人でも、かならず初級から受けなければならないことになります。
ジェルネイル初級の合格率は70%前後。受験した人の多くが合格していることになります。
ただし合格最低点は、実技試験・筆記試験ともに100点満点中80点。かなり高めです。70%の人が合格する試験とは言え、基本的な知識や技術をまんべんなく習得していなければ、合格は難しいということでしょう。
しかも合格者の中には、実技や筆記の免除制度を利用した人も多いと思われます。免除制度を利用している人は、もともと実力がある人なので、おそらくほとんどの人が合格していることでしょう。
これら免除制度からの合格者も含めての合格率70%ということなので、初級とは言え真剣に勉強をしなければ、危うい結果になりかねません。
ジェルネイル検定初級の試験は実技試験と筆記試験の2種類。それぞれ具体的には以下の通りになります。
ジェルネイルの検定なので、ジェルネイルに関する内容が多いのかと思えば、筆記試験ではジェルネイルに関する問題は60問中10問程度。
残りは「ネイリスト技能検定3級」の試験内容とほとんど変わりません。
ネイリスト技能検定3級を取得していれば、実技試験の第1科目が免除されますが、試験内容を覚えていれば、筆記試験に合格するのも容易となるでしょう。
それでも、爪の構造や病気、ネイルケアの手順などの基本的な知識を復習し、ジェルネイルに関する基礎知識を覚えておくようにしましょう。
日本ネイリスト協会では、ジェルネイル検定対策としても役立つベーシックテキストや、用語辞典を発行していますので、独学で検定に臨む場合などは購入しておくと安心でしょう。
ジェルネイル検定の公式問題集などはありませんが、問題のほとんどが「ネイリスト技能検定3級」から出題されるので、ネイリスト技能検定の問題集を見るのもいいですよ。
実技試験は、テーブルセッティングやボトルのラベル表示、モデルさんの爪の状態などをチェックされる事前審査から始まります。試験当日までにしっかり準備しておきましょう。
第1課題は、両手の爪10本に赤いポリッシュが塗られている状態から始まりますので、まずは手指を消毒してポリッシュをオフしていきます。落とし残しのないよう、細かい部分まで丁寧に行いましょう。
次に、ラウンドの形にファイリングしていきます。緊張して力が入りすぎないように注意しましょう。モデルさんの肌や爪に傷をつけないよう気を付けてくださいね。
最後に、爪に付いた汚れやキューティクルなどを取り除いて第1課題終了です。
この時間で第1課題の片付けと第2課題の準備を行います。第2課題が始まる時に、第1課題の道具が残っていないようにきちんと片づけをしましょう。
第2課題が始まる前にも消毒をし、右手の爪にサンディングと油分除去を行いベースジェルを塗り、左手にベースコートを塗っていきます。
むらなく塗れたら硬化させて、左手にカラーポリッシュ、右手にカラージェルを塗っていきます。硬化後に2回目を施し、トップコートを塗ります。
片手を硬化させている間にもう一方の爪をチェックするなど、時間を効率的に使いましょう。
最後に右手の中指に、ジェルカラーの赤に映えるジェルアート(ピーコック)を施し、硬化させていきます。全体的なチェックも行い、残り時間でできる範囲で修正していきましょう。
日本ネイリスト協会では、「JNAジェルネイル技能検定試験 初級テクニック講座」のDVDを販売しています。このDVDは、事前審査や実技試験のネイルケア・ポリッシュカラーリング・ジェルカラーリング・ジェルアートなどを網羅した内容になっていますので、動画を見ながら自宅で練習するのに最適の教材です。
ピーコックネイルとは、孔雀の羽をイメージしたネイルのことです。
ジェルネイル検定初級ではピーコックネイルの実技試験があるので、いかにきれいなピーコックネイルを作るかということが重要になります。
ピーコックネイルを作る際の色に指定はありませんが、自分の好きな色を選ぶよりも、より発色がよくきれいに見える色を選ぶのがポイントです。
3色以上の色味を使用すると見栄えがするので、できるだけたくさんの色を取り入れること、また濃いブルーやマットな白など鮮やかな色を選ぶことをおすすめします。
ラインを引くブラシは、短いと途中でジェルを付け足さないといけなくなってしまうので、長めのブラシを使用するとよいでしょ。
力を抜いて一気に引けばきれいに引けます。
ピーコックネイルにはいろいろなデザインがありますが、アーチなどの場合ラインが歪みやすいので、まっすぐにラインを引くデザインのほうがきれいにラインを引くことができておすすめです。
ジェルネイルは、プロでなくても独学でセルフネイルを施している人もたくさんいて、プロ顔負けの凝ったデザインを作れる人も多いです。
こうした人たちは、ネイルのケアなどについても事前に独学で学ばれていると思いますし、ネイルの技術についてもひと通り網羅していると思われますので、独学でも十分合格できる可能性があります。
ジェルネイル検定初級については、テキストも販売されていますし、スクールで学ばないと受験資格が得られないという決まりもないので、独学でも問題なく受験が可能です。
資格はもっていないけれど、過去にネイリストとして働いていた経験がある人や、セルフネイルに自信がある人、独学で勉強できる時間を捻出できる人などは、自力でチャレンジしてみるのもよいでしょう。
逆に、これまでネイルといえばネイルサロンで施術してもらう専門だった人、ネイルについてまったく学んだことがない人は、初級とはいえ独学で学んで合格するというのは難しいかもしれません。
ネイルにはかなりたくさんの道具があり、その名前は使い方をすべて覚えなければなりませんし、ケアなどについても少し練習しただけでは合格レベルに達することが厳しいからです。
スクールであれば、座学でネイルのいろはについてしっかり教えてもらえますし、わからないことを講師に聞くなどして効率よく学ぶことができます。
スクールによっては合格保証もついているので、ネイル初心者の人はスクールで学んだ上で受験するのがおすすめです。
いよいよ緊張の合格発表。初級の試験とは言え、プロのネイリストと目指すうえでは不可欠な試験。今後の勉強のモチベーションにつなげるためにも、ぜひとも合格をゲットしたいものです。
試験の合否を知る方法は2種類。JNAの公式サイトに発表される合格者の受験番号を確認する方法と、協会から送られてくる合否通知を確認する方法。合否通知は、試験から1ヶ月半後に送付されてきます。
合否結果が分かるまで、受験番号の控えを紛失しないようご注意ください。