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ネイリスト検定2級とは、公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)が主催するネイリスト検定の中の1つ。検定には3級、2級、1級とあるので、2級はちょうど真ん中のレベルということになりますね。
真ん中とは言っても、検定で問われる内容はかなり専門的。一般に「サロンに出て通用するレベル」が2級と言われているので、一朝一夕で取得できる資格ではありません。
でも逆に言えば、サロンで働くことはもちろん、サロンを開業するレベルとしても通用する資格なので、試験勉強をする上では大きなモチベーションにもなるでしょう。
2級は、3級に比べると合格率がグッと下がります。それだけ、2級はプロとして期待されている資格でもあるのです。
先でも触れましたが、ネイリスト2級を取得することの大きなメリットは、サロンで働くレベルであることを証明できることです。
理屈のうえでは、ネイリストとしてサロンで働くためには、本来は資格が不要です。でもお客様の立場になってみれば、しっかりとした知識と技術を持った、信頼できるネイリストに施術してもらいたいものですよね。十分な知識と技術を持っていることを証明できる資格が、検定2級というわけなのです。
ネイリストに興味のある方であれば、すでに様々なネイルサロンの求人情報を閲覧したことがあるかも知れません。求人情報での応募条件には、どのように書いてあったでしょう? 「2級以上」という条件を多く見ませんでしたか?
そう、多くのサロンでは、2級以上の資格を保有していないと応募することすらできない、というのが現状なのです。
もちろん2級よりも1級のほうが信頼度は高い資格なのですが、2級を保有してサロンで経験を積めば、それだけでも自宅開業が現実的になります(開業資金は必要ですが…)。
検定2級はプロネイリストとしての実力・信頼の証、と考えましょう。
検定2級の受験資格は2つだけ。1つめが「義務教育を終えている」こと。2つめが「検定3級を保有している」ことです。
義務教育というのは、小学校と中学校での教育のこと。中学校を卒業していれば、高校中退でも中卒のままでも義務教育を終えたことになります。一般に日本国籍を持つ人であれば、通常は義務教育を終えているはずです。
また、検定3級の資格を取得していることも必要です。「そんなの当たり前じゃない?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、これ、資格の世界では意外に当たり前ではありません。
たとえば簿記検定は、「3級と2級」または「2級と1級」の同時受験が可能です。あるいは、英検を目指す人であれば、4級や3級を受けずに、最初から1級だけを受けることもできます。
でもネイリスト2級は、絶対に3級を取得していなければ受験ができません。その点は少々厄介なところと言えるかも知れませんね。
2017年夏期におけるネイリスト検定2級の合格率は、48.0%となっています。試験の都度、合格率は上下するのですが、この回は比較的高めの合格率となったようです。ちなみに2015年春期の2級合格率は36.5%。かなり狭き門となっています。
なお2017年夏期における検定3級の合格率は90.3%。2級と3級のレベルの違いが分かるかと思います。2級は、一筋縄では合格できない検定試験なのです。
ネイリスト検定2級では、実技試験と筆記試験の2つの試験が行われます。それぞれの内容は次の通りです。
合格最低ラインは、実技試験が50点満点中38点、筆記試験が100点満点中80点。筆記試験は全問マークシート方式になりますが、合格最低ラインが80%となると直感に頼ることはできませんね…。事前にしっかりと勉強しておきましょう!
ネイリスト検定2級では、事前審査に10分要し、前半はネイルケアの試験が35分間で行われます。後半に進むまでに1分間のインターバルが設けられ、後半に入ります。後半はチップ&ラップとカラーリング、アートの実技試験で、49分間で行います。
後半の実技試験で行われる、チップ&ラップとカラーリング、アートについてはどのような順番で行ってもかまわないとされていますので、その人によってやりやすいように行なえます。ここでは、あるネイリストの方が受験した際の手順と配分についてご紹介していきますね。
まず、1分以内で自分、次にモデルという順番で手指の消毒をしっかり行います。手の甲から手のひら、指の間まで手早くしっかり行いましょう。
次に、10分ほどで.チップラップを行います。
指のフリーエッジを短くして、バッファーでサンディングしてから、ダストオフをしてプレプライマーを塗布。チップを乗せて7mmくらいにカットし、段差を削ってからまたダストをオフします。次にプレプライマー塗布、シルクを貼り、ビニールで定着させてからグルーで留め、アクティベータースプレーを吹きかけます。
ここまでで10分間です。
次に、1分くらいでベースコートを塗布します。そして1分以内で1回目のレジンの塗布を行い、アクティベータースプレーを吹きます。次に1分くらいでアートをする指に1回目のカラーリングを行います。乾かす間に2回目のレジン塗布を1分以内で行い、またアクティベータースプレーを吹きます。そしてまたアートの指に1分以内で2度目のカラーリングを行います。交互のような形で3度目のレジン塗布を1分以内で行います。
アート以外の指4本に、5分ほどで1度目のカラーリングを行います。さらに4度目のレジン塗布を1分以内で行い、アクティベータースプレーを吹いたら、アート以外の指4本に2度目のカラーリングを5分以内で行います。
次に、6分ほどでファイリングしながら5mmほどのラウンドに仕上げます。終えたら、10分ほどでチップラップ以外の4本の指にベースコートを塗ります。
その後、アート用の指に8分ほどでアートを施します。
アートを終えたら、1分以内でチップラップ以外の指4本にトップコートを塗り、仕上がりの修正も行います。さらに5本すべての指に1分以内でトップコートを塗り、3分ほどで最終チェックをして後半の実技試験が終了となります。
チップはたくさんのメーカーから販売されていますが、それぞれ微妙にカーブの強さなどの特徴が異なります。チップを選ぶ際は、モデルの爪の状態に合わせて選びましょう。カーブはもちろんですが、サイズについても同様です。
チップを選ぶ際は、先端を持って幅を確認しながら選ぶと、よい状態でモデルに合ったチップを選ぶことができます。また、選んだチップにコンタクト・ゾーンを削って仕込んでおくなどの仕込みを行うのは自由ですので、より装着しやすいようにチップの準備をしておくことは基本です。
仕込んだチップは、爪に対してまっすぐに装着します。爪とチップの間に空気が入らないようにつけることがもっとも重要なポイントです。グルーを塗る際には、爪に接するおよそ2mmくらいの部分のみに塗布します。
グルーは新しいもののほうが早く接着しやすいので、試験の際には新しいグルーを持参するとよいでしょう。チップは、接着部分が平らになっているのが望ましく、上がりすぎや下がりすぎはNGです。
装着したチップは、シルクを装着した状態で段差を取り除いて爪の表面を平らにする必要があります。このとき、段差を取り除こうとするがあまり自爪を削りすぎたり、ラインが残ってしまうということがないように気をつけてください。削り方の練習をしっかりやっておくと、シルクを装着するまでの流れをスムーズに行えます。
2級試験の規定では、フリーエッジが5mmのラウンドなので、余裕を持って7mmくらいでチップカッターでカットしてから、ウォッシャブルファイルでラウンドに削っていきます。段差を削ったら、きれいにダストオフをしてからプレプライマーを塗り、シルクを乗せます。シルクを装着するグルーは、さらっとしたものだときれいに装着できるので、用意しておくとよいでしょう。
チップラップのポイントはほかにもたくさんありますが、ここではチップの選び方からシルク装着までについてご紹介しました。
チップラップを極めるには、1回の練習で一通りの工程を行うのではなく、ひとつの工程を徹底的に練習するのがおすすめです。チップを装着するまでなら、すべての指にチップを付ける、削るときはすべての指を削るなど、ひとつひとつの工程をしっかり習得した上で、全体を通した練習をしてみましょう。
ドキドキの合格発表。今まで勉強してきた成果が判断される緊張の瞬間です。ネイリスト2級の合格発表には、高校受験のような合格掲示板などはありません。合否を知る手段は2つ。
日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)の公式ホームページで確認するか、または郵送されてくる合格証書で知るか、の2つになります。
日本ネイリスト検定試験センターの公式ホームページには、「技能検定試験結果案内」というページが常設されています。このページで受験級(2級)と受験番号、そして生年月日を入力し、最後に「合否判定結果」というボタンをクリックするとアナタの結果が登場する仕組です。
また合格した方の自宅には、後日、合格証書(ディプロマ)が郵送されてきます。こちらを確認して合否を知ることもできます。