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ネイリスト検定3級とは、日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)が主催している資格試験の一つ。検定には3級、2級、1級の3種類がありますが、3級はそれらの中でも、もっとも初歩的な知識・技術が問われる試験になります。
試験が行われるタイミングは、1月、4月、7月、10月の年4回。2018年1月試験の要項を見ると、全国39の会場で3級の試験が予定されています。
なお数年前に比べると、ネイリスト検定3級の会場の数は激増しています。それだけ3級が人気の資格になってきたということなのでしょう。
ネイリスト検定3級は、将来、プロのネイリストを目指す人にとって最初に通過すべき関門です。また、本当に自分がネイリストに向いているかどうか、適性を判断する大事な材料にもなるでしょう。
ネイリストとして働くためには、特に資格が必要なわけではありません。たとえ無資格だったとしても、サロンが採用してくれればネイリストとして働くことができます。
でも実際には、資格を持っていない人をネイリストとして採用するサロンは、ほとんどありません。もっと言ってしまうと、3級の資格を持っているだけでは、ほとんどのサロンは採用してくれないでしょう。その意味では、ネイリスト検定3級は、就職に直接役立つ資格というわけではありません。
ただし、就職に必要とされる2級の試験を受けるには、3級の資格を取得していることが必須です。よって「2級の試験を受ける条件を満たすことができる」ということが、3級を取得することの現実的なメリットとなるでしょう。ひいては、より高いステップに向けて勉強を頑張るモチベーションも湧いてくるはずです。
また3級とは言え、ネイルの基本はしっかりと身に付けられるので、お友達にネイルをやってあげるくらいならバッチリできます。自分の練習にもなるし、お友達も喜んでくれるし、一石二鳥ではないでしょうか。
ネイリスト検定3級を受けるための受験資格は「義務教育修了」だけ! 義務教育とは小学校と中学校だけの教育を指しているので、高校を卒業している必要はありません。
ちなみに日本国籍を持つ人は、手続き上の何らかの不備がない限り、たとえ不登校であっても小学校・中学校を卒業している手配が採られています。ひきこもりなどの経験がある人、卒業式に出席していない人、病気などでほとんど通学ができなかった人でも、問題なくネイリスト検定3級を受けることができるので安心してください。
ちなみに、どんなに試験に自信があったとしても、3級と2級を同時に受けることはできません。3級を飛ばして2級から受けることもできません。今、ネイル業界で大活躍しているカリスマネイリストも、みんな3級の試験からスタートしているのです。
ネイリスト検定3級は、1級や2級に比べると合格率はグッと高くなります。簡単に言えば「受かりやすい」ということです。
2016年秋期までの累計データによると、ネイリスト3級の合格率は83.16%。同じ累計データでは、1級が36.43%、2級は39.55%となっているので、それらに比べれば3級は広き門ということになります。
3級は、ネイリストを目指す人たちにとっての最初の登竜門。とは言え、3級で問われる内容は、ネイリストとしての基本中の基本です。中には独学で合格する人もいるほどです(お勧めはしませんが)。
基本だけ確実に身に付けておけば、ネイリスト3級の合格は決して難しいものではありません。
ネイリスト検定3級の試験には、大きく分けて実技試験と筆記試験の2つがあります。それぞれの具体的な内容は次の通りです。
以上の試験において、実技試験で50点満点中38点、筆記試験で100点満点中80点を取れば合格となります。
一見、合格ラインは高いようにも感じますが、内容は基本的なものばかりなので合格率はかなり高めです。基本をしっかり押さえる勉強をしていきましょう。
検定は筆記試験と実技試験がありますが、実技試験は実際にネイルを施すことになります。
基礎的な内容と言われる3級の検定であっても、技術力を問われるネイルアートの項目があるので、事前の練習は欠かせません。
3級のテーマは毎回「フラワー」となっており、どんなお花を描くのかは自由です。採点基準は、「テーマにふさわしいデザインであること」と「筆のみで描かれていること」ですが、お花をひとつ描くだけでは合格基準に達しない場合もあります。
たとえば、メインとなるお花をひとつ描いたら、周りに小さめのお花や葉っぱを描くなど、カラーや配置のバランスも考えて見栄えを良くするといいでしょう。
細かい部分をしっかり描くのが難しいという場合は、ドットで飾り付けるなど、なるべく隙間を埋めるようにすると華やかに仕上がります。
3級のアートは、見本と同じデザインでも問題ないので、どのような絵柄にするか迷った時は、ネット上でサンプルや合格した人の画像を見て覚え、同じようなものが描けるように練習しておくといいでしょう。
目安として、爪の2/3以上にアートを描く、3色以上使用するのがコツです。
アートに時間を取られ過ぎて、トップコートを塗り忘れるなんてことのないように、余裕を持って臨んでくださいね。
実技試験ではアートだけでなく、テーブルセッティングや消毒管理などの準備段階から採点基準になりますので、全体的な流れをスムーズに行うことが必要です。
手順や時間配分をしっかり頭の中に入れておき、当日になって慌てないようにしましょう。
最初のテーブルセッティングと消毒管理の事前審査は10分間。これは実技試験の70分には含まれません。タオルやペーパーが規定の位置に敷かれていないなど、テーブルセッティングに不備があると原点対象になりますが、ボトルのラベル表示やモデルの爪の状態などが事前に準備できているかどうかも重要です。
まず、手指の消毒を行います。施術者→モデルの順番で行い、1分程度で済ませるようにします。ポリッシュオフは5分、ファイリングは片手で5分ずつくらいを目指して行います。
クリーンナップは片手を10分くらいで仕上げるようにします。
ネイルケア全体を30分~35分くらいでまとめられれば、カラーリングとアートも余裕を持って行えるようになります。
急いでいても雑にならないよう、道具も駆使して丁寧に行うようにしましょう。
35分間だと、ちょうど試験時間の半分過ぎたことになりますので、ペース配分の目安にもなりやすいでしょう。
カラーリングは、むらなく塗ることと、はみだしをしっかり修正するのを怠らないようにしましょう。トップコートも忘れずに塗る必要がありますが、左手中指のネイルアートが終わってから、全体に塗るほうが塗り忘れを防げて効率的な場合もあります。
どちらにするか自分で決めておいて、流れを体に覚え込ませておくといいでしょう。
ネイルアートの配分時間は10分間くらいです。何度も練習して、10分以内に仕上げられるようにしておきましょう。前までの工程で時間が押してしまった場合は、デザインを簡単にして時間短縮を計り、時間内に終わらせられるようにしましょう。
試験の最後には、筆記試験のように見直しができるよう、5分間くらいの余裕を残しておきましょう。この時間で全体にトップコートを施すのもOKです。
あまり早く終わりすぎても手持ち無沙汰になってしまうので、急ぎ過ぎずに経過時間を見ながらなるべく丁寧に行うようにしてください。
ネイリスト検定3級は基礎的な内容なので、独学でも合格することは可能ですし、実際にスクールなどに通わないで合格している人もたくさんいます。
日本ネイリスト検定試験センターでは、公式問題集を発行しているので、購入して勉強すれば筆記試験に問題はないでしょう。
ただ、やはり実技試験においては、スクールに通う人より遅れを取ってしまうことは避けられないでしょう。
独学でのデメリットとしては、
などが挙げられます。
アートの技術や道具の使い方などは、ネット上に無料の動画がたくさんあるため、独学でもそれほど不自由することはないでしょう。
ただ、本当にこれでまちがいないのか、もっと効率のいい方法があるのではないか、苦手なところを改善するにはどうすればいいのかという細かい部分で指導してもらえる人がいないので、上達しにくく自信もつきにくくなってしまいます。
また、スクールに通っていれば相談仲間も増え、お互いの爪で練習することもできますが、独学だと知り合いにモデルになってもらうのにも限界があります。
独学でも十分合格は目指せますが、数日間のスクーリングや検定対策などに通うと、さらに上達しやすく、合格率も上がってくるでしょう。
待ちに待った合格発表です。ネイルの勉強をスタートして初めての試験。そしてネイリストになるための登竜門。プロネイリストを目指すうえで、幸先の良い結果をゲットしたいものです。
ネイリスト検定3級試験の合否を知る方法は2種類。日本ネイリスト検定センター(JNEC)の公式ホームページから知る方法と、同センターから送られてくる合格証書を確認する方法です。普通は一刻も早く合否を知りたいですよね。よって、一般には公式ホームページから合否結果を知ることになるでしょう。
公式の所定ページに移動し、受験級(3級)、受験番号、生年月日を入力。最後に「合否判定結果」というボタンをクリックすると、あなたの合否結果が表示される仕組みです。受験前に、一度確認しておくと良いでしょう。